墓じまいはどう?経験者6人に聞いた。

2023年3月1日

墓じまいをする人が増えていますとかって、雑誌などで紹介されていますが、実際どうなのでしょうか。

そこで、じっさいに墓じまいという経験者6人に話を聞いてみました。

墓じまいした人の体験談

私の叔母が亡くなったときの話です。

わたしにとっては叔母にあたりますが、祖母は母が学生のときに早くになくなり、母は共働きだったので小さいころから叔母が育ててくれました。

叔母は88歳のときに心不全で亡くなりました。叔母は、私たち家族とは別居していて一人で住んでいたこともあり、もちろん叔母の先祖の墓もありました。

叔母が亡くなったら先祖と同じ墓に入ることももちろんわかっていたのですが、叔母が亡くなったあとは、墓の面倒を見る人がいませんし、私の親も別に面倒をみている墓があったので、同時には見られないと生前に相談していたようでした。

すると叔母は「面倒かけたくないから永代供養してほしい」とのことだったので、先祖が入っている墓をたたみ、別の寺で叔母と一緒に永代供養してもらうことにしました。

叔母がなくなってすぐお寺の方がこられ、その相談をしたところ、「ちょうど1基残っているんです。タイミングよかったですね」と失礼なことを言われましたが、悲しみのせいで怒りさえ出てきませんでした。

叔母が眠るその横で、お寺のかたは永代供養の説明を淡々とされました。永代供養代は100万。
管理費が月5000円(50年間)とのことでした。

今ある墓をたたむので「魂ぬき」が必要といわれ加えて2万。墓処理代が2万と、そうそうな金額がかかることを告げられました。

叔母の希望で、叔母の貯金もたくさんあったのでお願いすることにしました。墓をたたむ日、お寺の方と両親と私で墓に行きました。

母と私は霊感が強いのでちょっと離れたところで待機して、父に立ち会いしてもらいました。「魂ぬき」と言いながらも墓の前でお経をとなえ、墓から先祖の遺骨を出して、お札を横にたおす。それだけだったとききました。

そのあと業者さんがきて墓を壊して平らにしてもらったそうです。先祖の遺骨は11個ありました。

小さいものもあり幼くして亡くなった子供もいたのかな?と思います。「魂ぬき」と言われたのでたいそうな儀式を想像していたのですが、とんだひょうしぬけでした。家族みんなが「え?それだけ?」という思いました。

あとで調べたところ魂抜きの相場としては1~5万くらいなので妥当かなと感じましたが、今まで叔母の先祖代々守られてきた墓なのに、お札をたおすだけで終わりって…。やるせない気持ちになりました。

魂抜きという行事は、一生に1度あるかないかと言われています。

お寺の方も最近ではビジネスとして営業してくる方もいらっしゃいますので、魂抜きをしてもらう際はきちんと名のある方、口コミなどで安心できる先を探すのがいいと思います。

たまに数十万を要求してくるお寺もあるとか。その見極めは必要かと思います。

会社員 32歳 女

去年のことですが、代々続いた先祖のお墓の終活を実行しました。

2018年の11月下旬のことです。
私は50代の男性です。
兄弟はなし。
すでに、両親は他界しています。
さらに、仕事が忙しすぎたことが災い、未婚のまま今日まで経過しました。
本家の跡取り息子ですが、子供はもちろんいません。
こうなると、お墓のことが気になります。
墓じまいのことで問題になるのは、親戚とのトラブルです。

こちらで勝手に墓じまいをして、後から知らせるというのは、最悪です。
私の場合、親戚がおじとおばが一人ずついるのですが、性格的にそりが合わず、疎遠になっていました。

2人とも自分のメンツが第一の人ですから、事後報告は避けなければいけません。
墓じまいの相談のタイミングを見計らっていました。

そんな時、2018年9月、私が住んでいる北海道が大地震に見舞われたのです。

お墓がある札幌市も大被害。
ピンチをチャンスにというのは不謹慎かもしれませんが、2人に墓のことを切り出しました。

いろいろ言いたいことはあったようですが、墓じまいの同意をとりつけ、資金の援助もしてくれました。
これで自分に課せられた大きな課題を解決できた、と今は安堵したいます。

自営業 50代 男性

東京在住の主婦です。
主人は四国の県庁所在地の市内出身で、数年前まではそこで義父が一人で暮らしていました。

主人の実家のお墓は、その県庁所在地の市郊外、車で小一時間ほどの山の中にありました。
義父が数年前に認知症を患い、主人の姉のもとに引き取られた後、二年前に亡くなりました。

義父が亡くなったのをきっかけに、主人も主人の姉も四国とは離れたところに住んでおり、お墓の管理も難しいということで、跡取りでもある主人が義父の遺産を使って東京近郊に新しくお墓を作ることになりました。

そこで、四国のお墓は墓じまいすることになりました。

もともとは本家と分家と合同の墓地だったそうですが、交通の便の悪い場所にあったからか、だんだんと墓石も減って、実家の墓じまいをする頃には主人の実家ともう一つの分家筋のお墓があるのみだったそうです。

まさに墓じまいをするという際には、義姉は少し感傷的になったといっていましたが、主人は現在住んでいる東京近郊に新しくお墓を建てることで墓守のことを心配して亡くなった義父に孝行できたという気持ちになっていました。

専業主婦 43歳 女性

父の実家のお墓です。

父はほかのエリアから出てきて、母と知り合い私が生まれました。
ということで、母と私は父の実家周辺で暮らしたことがありません。

父の実家周辺で、父の兄弟も亡くなり、いとこも周辺に住んでいません。

このまま亡くなり納骨されても、将来的に見て、お墓参りをする人も少なくなり、お墓に行くにも時間や手間がかかります。

そのため、墓じまいして今住んでいるエリアの市民墓地にしました。

以前の墓地と違い、市民墓地は公で運営しているため、管理人が不在になる可能性も低く、きちんと管理されています。

墓じまいをするときに、元のお墓の管理人も、出ていく人が多かったのか承諾していただきました。

生まれたエリアで一生を過ごし、亡くなっていくパターンはすでに崩れているので、早めに対処したほうがいいと思います。

会社員 41歳 男性

自分は東日本大震災の影響により、墓じまいをした経験がございます。

 結局、東日本大震災で天涯孤独の身となった自分は、墓があってもしんどいと思い、墓じまいをする事にしました。
震災から2年くらい経ってからの事でした。

 ところが墓じまいといっても訳がわかない状態だったので、人の知恵と助けを借りながら何とか手続きをしました。

 結構な費用と時間がかかった事を覚えております。
多分50万円以上はかかりました。

 随分前の事なので、うろ覚えですが、最初はお墓の管理者や管理会社に届け出が必要(?)だったと思います。

 その時の心情としては、若くして天涯孤独の身かぁ・・・としみじみ思いました。
よけい墓じまいをしたことで、ひしひしと感じましたね。

 後悔していることは、正直ありません。
後は孤独死でもして、無縁仏になるのでしょう。
そう達観しないとやっていられません。
 
 最後に自分からこの体験談をみている皆様にアドバイスなど僭越なのですが、アドバイスとしては僕と同じような境遇の人は少しずついいから、身辺整理を若いうちからしておくといいのかもしれませんね。

自営業 29歳 男性

お墓は、以前は海の近くにありました。

しかし最近では、その場所までお墓参りに行くことが辛くなってきたんですね。

車で行くようにしていましたが車でも片道で1時間も掛かってしまうのでその移動だけでも疲れることがありました。

また草がたくさん生える場所なので、その処理などに体力の限界を感じるようになったのです。

そんな時、自宅の近くの霊園の売り出しがありました。
そこは整備がされているので臭いがぼうぼうに生えることもないし、なんといっても近いのは嬉しかった。
そのため、以前のお墓について墓じまいをして、その場所に移転させることにしました。

経費としては、かなりかかったのですがこれからのことを思うと、そのようにしたことはとてもよかったと思っています。

事務職、59歳、女性

まとめ

想像とくらべてどうでしたか?

なかなか墓じまいもたいへんなようですね。いろいろ考えさせられました。