不動産売却で起きる仲介業者とのトラブル事例
不動産売却を円滑に進めるためには、仲介業者との信頼関係が不可欠でございます。しかし、現実には「思っていた対応と違った」「重要な説明がなかった」など、仲介業者との間でトラブルが発生するケースも少なくありません。本記事では、実際に起こりやすいトラブル事例と、その予防策について詳しく解説いたします。
1. 査定価格に関するトラブル
「高く売れます!」という甘い言葉に惹かれて媒介契約を結んだものの、実際には売却できずに価格を大幅に下げる羽目になった…というケースが多く見られます。
事例
- 相場とかけ離れた高額査定で媒介契約を結ばせる
- 後日「この価格では売れません」と値下げを迫る
対策:複数社から査定を取り、相場を把握したうえで媒介契約を結ぶようにしましょう。
2. 広告活動の不十分さ
媒介契約をしたものの、物件がほとんど広告に出ていなかったという不満もよくあるトラブルです。
事例
- 指定流通機構(レインズ)への登録が遅れていた
- ネット掲載やチラシ配布が行われていない
- 内覧の案内がほとんど来ない
対策:媒介契約の前に、どのような販売活動を行うかを文書で確認・約束しておくことが有効でございます。
3. 契約内容の説明不足
仲介業者の説明が不十分なまま契約を結び、後から「そんな内容とは知らなかった」と後悔するケースもございます。
事例
- 媒介契約の種類(一般・専任・専属専任)の違いを理解していなかった
- 手数料の上限や支払い時期を説明されなかった
対策:契約書や重要事項説明書の内容をしっかりと読み、納得するまで質問することが大切です。
4. 瑕疵の説明不足によるトラブル
売却後に買主から「知らされていなかった不具合があった」と指摘され、売主が責任を問われる事態に発展することもございます。
事例
- 雨漏りやシロアリなどを仲介業者に伝えたが、買主には伝えられていなかった
- 付帯設備の不具合が説明されなかった
対策:物件状況報告書や告知書は、売主が自ら記入し、書面で提出するようにし、口頭の伝達だけで済ませないよう注意しましょう。
5. 契約後の対応がずさん
契約までは親切だったのに、契約後は連絡がつかなくなる、引渡し手続きでミスが多いなど、アフターフォローの質が低いことも問題となります。
事例
- 引渡し前の準備について案内がなかった
- 買主との調整を怠り、決済日にトラブルが起きた
対策:媒介契約前に担当者の対応力・実績を確認し、信頼できる担当者かどうかを見極めましょう。
まとめ
不動産売却における仲介業者とのトラブルは、ほとんどが「説明不足」と「期待とのズレ」から発生いたします。大切なのは、業者任せにせず、売主自身が内容を把握し、記録を残し、積極的に確認・質問する姿勢を持つこと。信頼できるパートナーを見極め、円滑で納得のいく売却を実現してまいりましょう。