持ち家を賃貸にするか売却するか?判断のための比較ガイド
持ち家をどうするか悩んでいる方にとって、「賃貸にするか、それとも売却するか」という選択は非常に重要な決断です。どちらの選択にもメリットとデメリットがあり、将来のライフプランや経済状況に大きく影響することがあります。本記事では、持ち家を賃貸にする場合と売却する場合のそれぞれのポイントを比較し、どちらが自分にとって最適な選択なのかを考えるためのガイドを提供します。
1. 持ち家を賃貸にするメリットとデメリット
メリット
1. 定期的な収入が得られる: 持ち家を賃貸に出すことで、家賃収入を得ることができます。この収入は、ローンの返済や他の経費に充てることが可能です。Aさんは、持ち家を賃貸に出すことで定期的なキャッシュフローを得て、生活の安定に役立てています。
2. 将来再び住む選択肢が残る: 賃貸にすることで、将来的に再びその家に住むことが可能です。転勤や家族の事情で一時的に離れる場合などに、選択肢を残せるのは大きな利点です。
3. 不動産の価値が上昇する可能性がある: 不動産市場が上昇傾向にある場合、持ち続けることで将来的に高値で売却できる可能性があります。
デメリット
1. 空室リスクがある: 賃貸に出した場合でも、借り手が見つからない期間が続くと家賃収入が途絶えるリスクがあります。Bさんは、一時的に空室が続いたことで収支が厳しくなりました。
2. 物件の維持管理が必要: 賃貸物件として維持するためには、定期的なメンテナンスや修繕が必要です。また、借り手とのトラブルが発生することもあります。
3. 税金の負担が増えることも: 家賃収入は課税対象となり、確定申告が必要になります。さらに、賃貸物件として扱うことで固定資産税が増える場合もあります。
2. 持ち家を売却するメリットとデメリット
メリット
1. 一括でまとまった資金が手に入る: 持ち家を売却することで、一度に大きな資金を得ることができます。この資金を新しい家の購入や投資に回すことができます。Cさんは、売却した資金を使って新しい住まいを購入し、ライフスタイルを向上させました。
2. 維持費や管理の負担がなくなる: 売却することで、維持費や固定資産税の負担がなくなります。物件の老朽化による修繕費用なども気にする必要がなくなります。
3. 市場の下落リスクを回避できる: 不動産市場が下落する兆しがある場合、早めに売却することで資産価値の目減りを防ぐことができます。
デメリット
1. 将来その家に戻れない: 売却すると、再びその家に住む選択肢がなくなります。Dさんは、家族の事情で再び住みたいと思ったときに、売却したことを後悔しました。
2. 売却手続きが手間になる: 売却には不動産会社への依頼や買い手との交渉、契約手続きなど多くの手間がかかります。また、売却価格が希望よりも低くなることもあります。
3. 税金が発生する場合がある: 売却によって利益が出た場合、譲渡所得税が発生することがあります。事前に税金の負担を計算しておくことが必要です。
持ち家やマンションを賃貸に出した人の体験談
彼女はひとり暮らしにしては広い2階建ての家に一人で住んでいました。
その家は彼女の死後空き家になりました。
しかし駅から近いということもあり、そこに住みたいという人がいました。
家はまだ十分に使えるため住みたい人に貸していたので。
私はまだ若かったのですが、父も叔父もその家に興味がなく、幸い私は学校が建築関係でしていたので、こうして家の貸し借りの取引にも詳しかったのです。
借り手の人は数年住みましたが、病気になって入院し、そのまま亡くなってしまいました。
そんなわけで前の住人の荷物がいくつか残ったままその家はしばらく放置されています。
いまでも住みたい人がいれば貸したいのですが、前の住人の物が残り、変に生活感も残っているので気味悪がってか、次の住み手が見つからない状況になっています。
その間に庭の草も伸びて人が住むのには不快な場所となってしまいました。
会社員 29歳 男性
最初はマンションを売却する方向で検討を進めていましたが、いずれは元の勤務地に戻ってくる可能性があったので、マンションを売却せずに、人に貸すことにしました。
割と綺麗で住み心地が良いマンションだったので、すぐに借手が見つかってくれると甘い考えをしていましたが、借りてくれる人を見つけるのはかなり大変でした。
結局、数か月間は家賃収入が無い状態だったので、かなり家計は苦しくなっていました。
借りてくれる人が見つかれば、割と良い収入となりますが、一住戸だけを賃貸として利用している場合は、空室リスクがかなり大きいということを学びました。
会社員 35歳 男性
もう10数年前のことですが、会社の出向で、7年程、転勤になりました。
当然のことながら、誰にも貸さない状態で放置すると、空気の喚起の問題、住宅ローン返済、かつ、マンションの管理費などを支払っていく必要があります。
丁度、マンションの管理会社自体に、そういった不動産賃貸の部署もあったので、そこにお願いしました。
その担当者のアドバイスで、あまり低く設定しない方が良いとのことだったので、標準値で、広告を出してもらいました。
マンション内に機械式駐車場付き、インターネット回線込みで、14万円で出して頂きました。
まだ、新築1年も経っていなかったのですが、入居希望の音沙汰無状態でした。
住宅ローン返済中だった上、即、自己所有マンションに入居者確定にならない場合を想定して、出向先での賃貸マンションは賃貸料を安価で抑えたので、賃貸マンションの広さは引っ越し前のマンションの広さよりも狭く、引っ越し先の住居の一部屋を使用できない家具等の物置部屋にしていました。
不動産担当者のアドバイスで、1、2か月毎に5000円程度ずつ、賃貸料を下げて、待つしかありませんでした。
空き家と知られることも問題だと思っていたので、元居た職場へ出張の際は、マンションに立ち寄って、空気の入れ替えを少ししたり、郵便物を取り出したりとやっていました。
結局の処、引っ越しの時期が3月、4月でなかったこと(人の移動の多い時期)が原因だったのかも知れません。
値段は3万円近く賃貸料を下げた状態で、若い新婚さんが入居してくれました。
入居者確定になるまでに、半年から一年近く、空き家状態でした。
マンション建設会社とマンションの管理会社は別会社ですが同じ系列会社だったので、色々と困ったことは生じたものの、そこに賃貸関係をお任せして良かったと思います。
貸し出す際の条件の設定等も色々とアドバイスを頂きました。
例えば、たばこは吸わない人にした方が良い、外国人を入居させるのは止めた方が良い等でした。
なぜ、外国人はいけないのかを訪ねると、玄関の床が大理石で、段差は小さく、マンション内の床はフローロングで、いくら言っても、どうしても、土足でフローリングを歩く人が中にはいるので、避けた方が得ですよとのことでした。
今は、フローリングが傷だらけにもならずに、自己所有マンション内に住んでいます。
初めての経験だっただけに色々と勉強になりました。
会社員 52歳 男性
親は払う事が出来ずに私は月に12万円支払いながら、賃貸として貸し出しました。
古い物件ではありますが、繁華街の中にあり庭もある戸建てです。
私が住めば話は早かったのですが、他のマンションで暮らしている事もあり、又ローン代12万円の戸建ては贅沢だと思い、出しだしていました。
普段は会社員として働いています。
親から引き継ぎ10年になります。
その頃でも築32年ほどでした。
月額16万円で貸し、ローンは12万円、他固定資産税を払っていて年間40万円近くは貯まっていました。
その方は9年ほど居住した後に出て行かれ、次に募集を掛けますが同じ値段では入りません。
それなりに築年数が経過した事もあるのでなかなか入らず、月づきのローンの支払いでお腹はきりきりしました。
それなりに貯金もあり、住んでいたマンションのローンは繰り上げ返済する事で、ローン自体はこの戸建て一本に絞りました。
それでも誰も居住していない物件に月12万円支払い、たまに掃除をしに行くのは辛い物です。
一体何の為に何をしているんだろうと思っていました。
いっその事売ってしまおうかと思いましたが、再建築不可物件だった事もあり、そんなに値段は付かないと不動産屋に言われました。
もう無理だ!!と3カ月程で感じ、その頃に一度リフォームを入れました。
古い印象の内装や洗面、お風呂、クロスを新しくしました。
そして、値段も月16万円から15万円に値引く事で入居が決まりました。
何もしないとどうにもならないけど、どうにかしたらどうにかなると実感しました。
そして、辞めどきも大切だと思います。
この方が次出て行かれた時にはどんな値段になってもいいので販売を決めています。
築年数も結構経ってしまったので、潮どきだと思います。
看護師 35歳 女性
理由はアパートの前に大きな家が建ってしまって日当たりが一部悪くなってしまったからです。
ですが、日照権は問題がないので、何もいえません。
時期的にはだいたい3年くらいだったと思います。
家が建ったことははっきりいって迷惑ですが、文句をいうことも出来ないのですごく腹が立ちました。
今は日当たりが悪くなった部屋は家賃を下げて貸し出したので、今は前より入居してくるようになったのですが、それまでがすごく大変でしたね。
不動産経営をしたいなら、思いも寄らぬトラブルがあるということを覚えておいてくださいね。
事務職 34歳、 女性
建坪30坪未満の小さな2階建ての家です。
このまま放置していても、固定資産税がかかるばかり、売るとしても、大した価格はつかないと考え、貸家にすることにしました。
手始めに姑宅近くの古くから経営している不動産会社にコンタクトをとってみました。
狭い事務所にポツンと一人で初老の男性だけが座っています。
この方がオーナーのようです。
昔ながらの飛び込み客だけを拾っている商売法でもちろんネット流通経路は持っておられないとのことです。
少しばかり不安ではありましたが、賃貸の紹介をお願いしました。が、待てど暮らせど、連絡はありません。
一度だけ、内覧の訪問はあったようですが、半年ほど、なしのつぶてでした。
1年近く何の情報ももたらされないので、相談がてら、不動産事務所のオーナーに連絡を入れました。
借り手のない原因の一つとして、駐車場がないことに躊躇される方が多いとのことです。
最寄り駅からは約徒歩15分ほどに位置してはいますが、このスピード社会です。
車は生活の必需品なのでしょう。
裏庭をつぶして、駐車場を造るしか対策はないようです。
家賃が入るどころか、固定資産税をまかなえるどころか逆に支出が増えていきます。
不労所得といいますが、なかなかうまくはいかないものです。
無職 56歳 女
まとめ
持ち家を賃貸にするか売却するかは、個々の状況やライフプランによって異なります。賃貸にすることで定期的な収入を得られる一方で、管理の手間や空室リスクがあることを理解しておく必要があります。一方で、売却することで資金を一括で得て、維持費の負担から解放されるメリットがありますが、将来その家に戻れないデメリットもあります。自分のライフスタイルや経済状況を考慮し、どちらが自分にとってベストな選択かを慎重に判断しましょう。