海外で所有する物件の売却時に注意すべき税法と手続き

2025年6月23日

このテーマについては、 必要以上に構えなくても大丈夫です。 押さえるべきポイントは限られています。

近年、日本人の海外不動産投資が増えていますが、いざ売却する際には国ごとの税法や手続きの違いに注意する必要があります。適切な準備を怠ると、想定外の税負担が発生したり、売却手続きがスムーズに進まないこともあります。本記事では、海外で所有する不動産を売却する際に注意すべき税法と手続きについて解説します。

1. 海外不動産売却時に適用される税金

① 現地の譲渡所得税(キャピタルゲイン税)

海外不動産を売却する際、まず考慮すべきなのは現地での譲渡所得税(キャピタルゲイン税)です。売却益に対して課税される割合は国ごとに異なります。

  • アメリカ: 長期保有(1年以上)の場合は最大20%、短期保有(1年未満)の場合は最大37%の税率が適用
  • イギリス: 非居住者でも18~28%のキャピタルゲイン税が課税
  • オーストラリア: 外国人は特別税率で最大45%のキャピタルゲイン税
  • シンガポール: 物件保有期間が短い場合、高額な印紙税(SSD)が発生

各国で課税される割合が異なるため、事前に現地の税理士など専門家に相談することをおすすめします。

② 日本での課税(国外財産の譲渡所得)

日本の税法では、日本の居住者(原則として1年以上日本に住んでいる人)は、全世界所得課税の対象となります。つまり、海外で不動産を売却して得た利益も、日本で確定申告をしなければなりません。

日本での譲渡所得税率は、所有期間によって異なります。

  • 5年以下(短期譲渡所得): 39.63%(所得税30.63% + 住民税9%)
  • 5年超(長期譲渡所得): 20.315%(所得税15.315% + 住民税5%)

日本と現地の両方で課税される可能性があるため、二重課税のリスクを防ぐための対策が必要です。

③ 二重課税を防ぐ「外国税額控除」

海外で支払った税金が、日本でも課税されると税負担が大きくなります。この二重課税を避けるため、日本では「外国税額控除」という制度が設けられています。現地で支払った税額分を日本の税金から差し引くことで、実質的な税負担を軽減できます。

2. 海外不動産売却時の手続き

① 売却先の選定と契約

現地の不動産市場を理解し、適切な売却価格を設定することが重要です。信頼できる現地の不動産エージェントを活用し、適正な買主を見つけることがスムーズな取引のポイントになります。

② 必要な書類の準備

国ごとに異なりますが、一般的に以下の書類が必要になります。

  • 不動産所有権証明書(Title Deed)
  • 売買契約書(Sales & Purchase Agreement)
  • 税務関連書類(Tax Clearance Certificate)
  • 身分証明書(パスポートなど)
  • 銀行口座情報(売却代金の受け取り用)

事前に現地の不動産会社や弁護士に相談し、必要書類を確認しておきましょう。

③ 売却後の資金移動

売却代金を日本へ送金する際、現地の送金規制や日本の「国外送金等調書制度」に注意する必要があります。一定額以上の送金を受けた場合、日本の税務署へ報告義務が発生するため、適切な対応が求められます。

④ 確定申告と税務処理

売却後、日本国内で確定申告を行い、譲渡所得税の申告をします。外国税額控除を利用する場合、現地の税務当局からの納税証明書が必要になります。

まとめ

海外で所有する不動産を売却する際は、現地と日本の税法や手続きを理解し、適切に対応することが重要です。特に、二重課税を避けるための外国税額控除の活用や、必要な書類の準備、送金規制の確認など、事前の準備がスムーズな売却につながります。現地の専門家と連携しながら、リスクを最小限に抑えた売却を目指しましょう。


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