親族間で不動産を売却する際の手順と注意点
親や兄弟、子どもなどの親族に不動産を売却するケースは、相続や資産整理、住み替えなどさまざまな事情によって生じます。しかし、親族間の取引には特有のリスクや税務上の注意点があり、通常の売買とは異なる慎重な対応が求められます。この記事では、親族間で不動産を売却する際の正しい手順と、トラブルを避けるためのポイントを解説いたします。
1. 親族間売買は可能だが慎重に
親族間での不動産売買は法的に認められていますが、第三者間の取引に比べて「不当な価格設定」や「贈与」と判断されやすい傾向があります。適正な手続きを踏まないと、後日税務署から追徴課税される恐れもあります。
親族間売買が多いシチュエーション
- 親から子への住宅売却
- 兄弟間での相続整理
- 親族が住んでいる物件の名義変更を兼ねた売却
2. 適正な売却価格を設定する
「格安で売ってあげたい」と考える親心は理解できますが、相場より著しく低い価格で売却すると、税務署から「贈与」とみなされるリスクがあります。
価格設定のポイント
- 不動産会社に査定を依頼し、相場を把握
- 売却価格は相場の70%以上が望ましい
- 第三者による鑑定評価書があると安心
3. 売買契約書は必ず作成を
親族間であっても、口約束ではなく売買契約書を正式に作成することが必須です。後日のトラブル防止や登記手続きにも必要です。
契約書に記載すべき内容
- 売主・買主の氏名・住所
- 物件の所在地・面積・構造など
- 売却価格・支払方法・引渡し日
- 瑕疵担保責任の取り扱い
4. 税金に関する注意点
親族間売買であっても、譲渡所得税・登録免許税・不動産取得税などが課税されます。また、価格設定が不適切だと贈与税の対象にもなります。
税務対策のポイント
- 譲渡益が出る場合は確定申告が必要
- 買主に不動産取得税が発生
- 相場より安く売った場合は、贈与税対象になる可能性あり
5. 名義変更・登記手続き
不動産の所有権移転には登記が必要です。司法書士に依頼するのが一般的で、契約書や住民票、印鑑証明書などの書類が求められます。
登記に必要な主な書類
- 売買契約書
- 登記識別情報(権利証)
- 印鑑証明書(売主)・住民票(買主)
- 固定資産評価証明書
まとめ
親族間での不動産売却は、円満に進めば非常に有意義な資産移転手段ですが、感情に流されず、適正な手順と法的な根拠をもって行うことが不可欠です。特に「価格の妥当性」と「書類の整備」が重要なポイントとなります。税務リスクを避け、信頼と安心のある取引を実現するためにも、必要に応じて専門家の力を借りながら進めてまいりましょう。

