売却価格と税金:具体例で解説する税負担の計算
不動産の売却では、売却益が出た場合に税金が課せられます。しかし、「どれくらいの税金がかかるのか」「控除や特例でどれだけ軽減できるのか」は、事前に具体的に理解しておきたいところです。本記事では、譲渡所得税を中心に、実際の数字を用いた税負担の計算例を交えて詳しく解説いたします。
1. 不動産売却にかかる主な税金
不動産の売却で得た利益(譲渡所得)に対して課されるのが「譲渡所得税」です。この譲渡所得税には以下の3つが含まれます。
- 所得税
- 住民税
- 復興特別所得税(所得税の2.1%)
2. 譲渡所得の計算式
まずは課税対象となる「譲渡所得」の求め方を理解しましょう。
譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)− 各種特別控除
- 取得費:購入時の金額や登録免許税、不動産仲介手数料など
- 譲渡費用:売却時にかかった仲介手数料や測量費、解体費など
3. 具体例での計算
ケース1:特例なしの場合
- 購入価格:2,000万円
- 売却価格:3,000万円
- 譲渡費用(仲介手数料など):100万円
- 所有期間:5年(短期譲渡)
計算:
- 譲渡所得 = 3,000万円 −(2,000万円+100万円)= 900万円
- 税率(短期譲渡)= 39.63%(所得税30.63%+住民税9%)
- 納税額 = 900万円 × 39.63% ≒ 356.7万円
ケース2:3,000万円特別控除あり(居住用)
- 購入価格:2,500万円
- 売却価格:4,000万円
- 譲渡費用:150万円
- 所有期間:12年(長期譲渡)
計算:
- 譲渡所得 = 4,000万円 −(2,500万円+150万円)= 1,350万円
- 3,000万円控除を適用 → 1,350万円 − 3,000万円 = 課税対象 0円(課税なし)
※控除額が譲渡所得を上回る場合、税金は発生しません。
ケース3:10年超所有で軽減税率適用
- 購入価格:3,000万円
- 売却価格:5,500万円
- 譲渡費用:200万円
- 所有期間:11年
- 3,000万円特別控除後の譲渡益:2,300万円
計算:
- 軽減税率適用(10年超):
- 6,000万円以下の部分 → 税率14.21%
- 納税額 = 2,300万円 × 14.21% ≒ 326.8万円
4. 節税のためのポイント
- 所有期間を確認:5年を超えると税率が下がります(短期39.63%→長期20.315%)
- 居住用であれば3,000万円特別控除を活用
- 買換え特例や相続財産の取得費加算も検討
- 譲渡費用を漏れなく記録・領収書を保管
まとめ
不動産の売却で発生する税負担は、事前に正しく計算し、各種特例や控除をうまく活用することで大きく抑えることが可能です。所有期間や売却時期、物件の種類に応じて適用できる節税策が変わりますので、具体的な数字を把握し、税理士など専門家の助言を得ながら、最適な対応を取っていくことが重要です。

