リースバック契約と税金の仕組み
自宅を売却し、そのまま住み続けることができる「リースバック」は、高齢者の住み替え資金確保や資金調達の手段として注目を集めています。しかし、売却に伴う税金やその後の賃貸契約に関する税制の理解が不十分だと、想定外の支出が生じる恐れも。この記事では、リースバック契約の基本的な仕組みと、それに伴う税金のポイントを丁寧に解説いたします。
1. リースバックとは?
リースバックとは、自宅などの不動産を売却した後、買主と賃貸契約を結び、引き続きその物件に住み続ける仕組みです。
主な特徴
- 不動産を売却して現金化できる
- 賃貸契約を結ぶことで転居不要
- 一定期間後の買い戻し特約が付くケースも
2. リースバックで発生する主な税金
2.1. 譲渡所得税
リースバックでは「売却行為」が行われるため、譲渡所得税が発生する可能性があります。自宅として使用していた場合には、3,000万円の特別控除が適用可能です。
譲渡所得の計算式:
譲渡所得=売却価格 −(取得費+譲渡費用)
ポイント
- 長期所有(5年超)の場合、税率は約20.315%
- 居住用として売却する場合、特例控除で非課税となることも
2.2. 消費税
原則として居住用物件の売却は非課税ですが、投資用物件や法人が保有する事業用物件のリースバックでは、消費税が発生することがあります。
- 個人の自宅売却 → 非課税
- 事業用物件・テナントなど → 消費税課税対象
2.3. 固定資産税・都市計画税
リースバック契約後は「賃貸人(借主)」となるため、固定資産税の納税義務は買主側に移転します。ただし、引渡し日を起点に日割りで精算されることが一般的です。
2.4. 不動産取得税(買主側)
これは売主(リースバックを利用する側)には直接関係しませんが、買主には不動産取得税が課税されます。この点も価格交渉時に考慮されることがあります。
3. リース料(賃料)にかかる税金
物件を売却後、賃貸として借りる際には、毎月のリース料(賃料)を支払うことになります。
リース料の扱い
- 通常の賃貸借契約と同じく、支払った賃料は税金の対象外
- 家賃に消費税が含まれるかどうかは、物件の用途や貸主の課税業者登録状況による
4. 相続対策としてのリースバック
リースバックは相続対策としても活用されることがあります。例えば、売却によって現金化することで遺産分割をしやすくしたり、不動産評価額の圧縮につなげたりするケースです。
注意点
- 売却益が出れば相続財産が増加し、結果的に相続税が増える場合も
- 買い戻し特約がある場合、将来の相続人が買い戻す意思と資金を持っているか事前に検討を
まとめ
リースバックは資金調達と居住継続を両立できる柔軟な手段ですが、その裏には譲渡所得税や消費税など、複数の税金が絡みます。また、契約後も家賃という形で継続的な支出が発生するため、収支計画を慎重に立てることが不可欠です。制度を正しく理解し、必要に応じて税理士や不動産専門家の助言を得ながら、有利な形でのリースバックを実現してまいりましょう。
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リースバックで住み続けるという選択

