売却時に損失が出た場合の救済措置とは?
不動産を売却しても、必ずしも利益が出るとは限りません。むしろ、住宅ローン残債が多かったり、相場が下落していた場合などは「損失」が発生するケースもあります。しかし、損失が出たとしても、一定の条件を満たせば税務上の救済措置を活用することで、別の所得から控除を受けられる可能性があります。本記事では、そうした救済制度の種類と活用方法についてわかりやすく解説いたします。
1. 居住用財産を譲渡して損失が出た場合の特例
自宅(居住用不動産)を売却して損失が出た場合には、条件を満たせば他の所得と損益通算したり、翌年以降に繰り越すことが可能になります。
主な特例
- 損益通算の特例:他の所得(給与所得・事業所得など)と相殺が可能
- 繰越控除の特例:控除しきれなかった損失は最大3年間繰り越して適用
適用条件
- 売却した不動産が「居住用」であること
- 売却年の1月1日時点で所有期間が5年超
- 譲渡損失の原因が住宅ローン残債の返済に関係していること
- 売却価格がローン残高を下回っている(いわゆるオーバーローン)
2. 買換えによる譲渡損失の繰越控除
自宅を売却して損失が出た後、新たに住宅を購入した場合にも、一定条件下で損失の繰越控除が可能となります。
追加条件
- 新居の取得が売却した年の前年・当年・翌年であること
- 新たに取得した住宅が引き続き居住用であること
- 売却損失と新居取得が密接に関連していると認められること
控除の内容
- 損失分を翌年以降の所得から控除(最長3年間)
- 適用を受けるには毎年の確定申告が必要
3. 損失が出ても救済を受けられないケース
以下のようなケースでは、救済措置の対象外となるため注意が必要です。
- 投資用・別荘・セカンドハウスなど、居住実態のない不動産
- 5年未満の短期保有物件(原則として適用不可)
- 親族への売却や著しく低額での売却など、不自然な取引
4. 救済措置を受けるための手続き
確定申告が必須
- 損失控除を受けるには、確定申告書と譲渡所得内訳書を提出する必要があります。
- 適用を受けたい特例の選択を明示する必要があり、申告漏れがあると無効になることも。
必要書類の例
- 売買契約書のコピー
- 住宅ローン残高証明書
- 新居購入時の契約書(買換え特例の場合)
- 登記簿謄本や居住実態を証明できる書類(住民票など)
まとめ
不動産売却で損失が出た場合でも、適切な手続きを行えば損益通算や繰越控除といった救済措置を受けることが可能です。特に居住用不動産に関しては、税制上の配慮が厚く設けられています。損失が出たからといって落胆せず、制度を正しく理解し、確実な申告を行うことが重要です。専門家の助言を仰ぎつつ、税負担を少しでも軽くしていきましょう。
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