売却後に起きる可能性のあるクレーム事例集
不動産売却が完了したからといって、すべてが終わるわけではありません。引き渡し後に発生する“想定外のクレーム”は、売主にとって大きなストレスやリスクとなることがあります。今回は、実際に起きやすいクレームの事例を集め、それぞれの原因や売主としての対応、そして未然に防ぐためのポイントを解説いたします。
1. 建物の瑕疵に関するクレーム
1.1. 雨漏りが発生した
- 事例: 引き渡し後の梅雨時期に、天井から雨漏り。買主から「事前に聞いていなかった」とクレーム。
- 原因: 売主が瑕疵に気づかず、契約時にも説明がなかった。
- 対応策: 売主の契約不適合責任が問われる可能性あり。事前のインスペクションで発見・説明しておくことが重要。
1.2. シロアリ被害の指摘
- 事例: 床下にシロアリの痕跡が見つかり、買主が修繕費用の一部を請求。
- 原因: 売主が事前に床下を確認していなかった。
- 対応策: 床下調査や白蟻保証の書類があれば提示。調査履歴や状態を契約書で明示しておくとよい。
2. 設備不良に関するクレーム
2.1. 給湯器がすぐ壊れた
- 事例: 入居後すぐに給湯器が故障。「引き渡し時に故障していたのでは?」と買主から連絡。
- 原因: 古い給湯器で、寿命が近かった。
- 対応策: 設備の状態は「現状渡し」と記載し、契約書に「機器の故障に対する責任を負わない」特約を明記しておく。
2.2. エアコンが使えない
- 事例: 内覧時には作動していたが、実際の居住で冷風が出ないとのクレーム。
- 原因: 内覧用の仮設電源で一時的に動いていたが、本体は故障していた。
- 対応策: 内覧時の設備の動作状況を記録し、売却対象に含むか明確にしておく。
3. 境界・土地に関するクレーム
3.1. 境界線の不明確さ
- 事例: 隣地との境界に関するトラブルが発生し、「買う前に説明がなかった」との苦情。
- 原因: 境界非確定だったが、契約時に明示しなかった。
- 対応策: 境界確認書や測量図の提示。未確定ならその旨を重要事項説明書で明記する。
3.2. 土壌汚染の懸念
- 事例: 工場跡地を住宅用に転用しようとした際、土壌汚染の疑いが出てクレーム。
- 原因: 土地の過去の使用履歴について確認不足。
- 対応策: 過去の地歴調査を行い、必要であれば環境調査を事前に実施。
4. 契約書の不備・説明不足に関するクレーム
4.1. 記載内容との相違
- 事例: 契約書には駐車場ありと記載されていたが、実際には使用できなかった。
- 原因: 契約内容の確認ミス、または誤解を招く表現。
- 対応策: 契約書・重要事項説明書の内容を入念にチェック。現況を正確に記載する。
4.2. 残置物の処理トラブル
- 事例: 引き渡し後に大量の残置物が残っており、「処分費用を請求したい」と買主から連絡。
- 原因: 契約時に残置物の有無や処理について明確に取り決めなかった。
- 対応策: 売買契約書に「引き渡し時に残置物はすべて撤去済みとする」等の文言を入れる。
まとめ
不動産売却後のクレームは、「思い込み」や「確認不足」から発生するケースがほとんどです。売主としては、引き渡し前の状態確認、契約書類の丁寧な作成、そして買主への情報提供を徹底することで、多くのトラブルを未然に防ぐことが可能です。万一クレームが発生した際にも、誠実かつ迅速に対応することで、円満な解決につながります。
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不動産売却後のクレーム対応と予防策ガイド

