投資家が注目する節税スキームの紹介
不動産投資は収益を得る手段であると同時に、節税の観点からも非常に魅力的な分野です。多くの投資家は、税負担を最小限に抑えながら利益を最大化するために、さまざまな節税スキームを駆使しています。今回は、不動産投資家が実際に活用している注目の節税スキームについて、その仕組みやポイントを具体的にご紹介いたします。
1. 減価償却を活用した節税
不動産の建物部分は時間の経過とともに価値が減少するため、会計上は「減価償却」として経費に計上できます。これにより、実際のキャッシュフローに影響せず、所得税を圧縮することが可能です。
ポイント
- 木造:22年、鉄骨造:34年、RC造:47年が法定耐用年数
- 中古物件は法定耐用年数に応じて短縮償却が可能
- 帳簿上赤字でも手元に現金が残る「デッドクロス」を活用
2. 青色申告と赤字繰越の活用
個人事業主として不動産収入を申告する場合、青色申告を選択することで最大65万円の控除を受けられ、さらに赤字を3年間繰り越し可能です。
活用例
- 初年度は修繕費や広告費がかさみ赤字 → 翌年以降の黒字と相殺し、課税所得を減少
3. 法人化による税率の最適化
不動産投資規模が拡大してきたら、「法人化」は強力な節税手段です。個人よりも法人の方が税率が安定しており、所得分散や経費計上の幅も広がります。
主なメリット
- 法人税率は所得800万円以下で15%台と低め
- 役員報酬として所得を分散し、所得税の累進課税を回避
- 家族を役員にして給与支給 → 合法的な所得分散が可能
4. 特定居住用財産の買換え特例
投資用物件であっても、一定条件を満たすと「特定居住用財産の買換え特例」が適用され、売却益に対する課税を繰り延べることができます。
条件
- マイホームとして利用していた物件であること
- 売却価格が1億円以下
- 買換え先も居住用であること
5. 相続対策としての不動産活用
不動産は相続税の節税にも役立ちます。現金よりも不動産の方が評価額が下がる傾向にあり、結果的に課税資産を圧縮できるのです。
活用方法
- 賃貸物件を所有していると「貸家建付地」として評価額が下がる
- 相続税評価額は時価の60〜80%になることも
- 生前贈与との併用でさらなる節税も可能
6. 不動産管理会社スキーム
個人で物件を保有しつつ、管理業務を家族経営の管理会社に外注することで、合法的に所得を分散するスキームです。
具体的な運用
- 管理会社に5〜10%の管理報酬を支払い、家族に給与を分配
- 経費計上により課税所得を圧縮
- 実質的な手取り額を増加
まとめ
不動産投資における節税スキームは、単なる「税金逃れ」ではなく、法律の枠内で利益と資産を守るための合理的な手段です。減価償却や法人化、買換え特例、相続対策といった各種スキームは、使い方を誤らなければ強力な武器となります。実践に移す前には、必ず税理士など専門家のアドバイスを受け、自身の投資戦略に合った節税方法を見極めましょう。
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投資用不動産の売却戦略と節税テクニック